プロジェクト-T(豊かな海づくり)
「プロジェクト-T」とは、「海を豊かにすること」が狙いです。
と言っても、単純に「海をきれいにすること」が目的ではありません。
「昔の海を際させる」「水産資源を再生させる」ことが主な目的です。
海岸に流れ着いた大量の漂着物。
昔の海に再生させるにはどのようなことをしたらよいのか。海を豊かにする為のミネラルはどのように補えばよいのか。
それを考えていくうちに、栄養分の多くは森林から海へ流れ込んでいることを知り、
その中で私たちは森林破壊の原因の一つである竹の森・・・竹林に注目しました。
そうです! 「プロジェクト-T」の「T」は「竹」のことです!!
このプロジェクトはすぐに結果が出るものではなく、何年・何十年とかけて成果が出るプロジェクトです。
何故か???
それは、一つ一つの作業に時間と労力がかかる上に、自然のものなので結果が出るまでに時間がかかるのです。
ここで豊かな海を作るために、なぜ森が重要なのかを説明しましょう。
どのようにして森林から栄養が流れ出し、豊かな海にするのか・・・・・
広葉樹などの葉が彼落ちると、微生物やミミズなどにより分解され腐葉土となります。
この腐葉土には、フルボ酸・ビタミンなどの養分が多く含まれており、雨によりこの養分が地中に浸透し
川に流れ出ます。
このフルボ酸という物質は、鉄分を溶かし鉄イオンになります。
そして植物プランクトンや海藻類にとった不可欠な養分として海へと流れていきます。
この鉄分が生きていくうえで大切な役割を果たしていることは、私たち人間も同様ですね。
私たちは、先ず竹林を整備することから始めました。
竹林を整備する理由。それは・・・・・
竹は成長が早く、他の木々が育つ前にそれぞれの上に覆いかぶさり、成長を妨げ、
最終的に枯らしてしまいます。
その結果、表面の地盤が固くなり、その表面を栄養を含まないまま雨水が流れてしまうなど、
森林が本来持っている機能を損なう恐れがあるからです。
実際に山(竹林)に入っていくと、竹が倒れて歩きにくく、太陽の光もあまり差し込まず、竹以外の木はほとんど生えていませんでした。
また、竹林は思った以上に荒れ果てていたので、そう簡単に整備出来るものではありませんでした。
次に、この切り出した竹をどう処分・利用するのか悩みました。
その時、実習でお世話になっている地元の猟師さんたちの言葉を思い出しました。
「・・・・・海藻の減少・魚の隠れ場の減少・磯やけ・・・」
そこで、切り出した竹を利用して漁礁を作ることにしました。
これはロープに竹を編みこみ、漁礁を作っている様子です。
海中に設置した竹製の漁礁。
漁礁に産卵されたイカの卵です。竹とロープに卵がびっしりついています。
漁礁を設置したことにより海の中はこんなに変化がみられました。
今後は漁礁だけでなく、本物の海藻を増やす取り組みを考えなくてはいけません。
海藻が生えない原因は成長に不可欠な鉄分・ミネラルが不足していることが挙げられます。
その対策として、「鉄炭おむすび」を作ることにしました。
これは、鉄粉と竹炭含んだおむすびを作り、海底に沈めて栄養分を補おうというものです。
私たちアクアライフ科は、
「竹林の整備」 「竹の漁礁」 「鉄粉と竹炭の鉄炭おむすび」
この3本柱と
「ウニの駆除・有効活用」というサイドメニューで
「プロジェクト-T」を推進します。